ウェルビーイングが変えるオフィスの未来。
─ 次世代オフィスの空間デザインの考え方

働き方改革やテレワークの普及によって、オフィスに求められる役割は大きく変化しています。
以前は「いかに効率よく働けるか」がオフィスづくりの中心でした。しかし近年では、「働く人が心身ともに健康で、いきいきと働けるか」という視点が重視されるようになっています。
その背景にあるのが、「ウェルビーイング(Well-being)」という考え方です。
オフィスは単なる業務空間ではなく、人の健康や創造性、コミュニケーションを支える場へと進化しつつあります。
今回は、ウェルビーイングの視点から、次世代オフィスの空間デザインについて考えてみます。
なぜ今、ウェルビーイングが注目されているのか

ウェルビーイングとは、身体的な健康だけでなく、精神的な充実や社会的なつながりも含めた総合的な幸福を意味する考え方です。
近年、多くの企業がウェルビーイングを経営課題として捉えるようになりました。
背景には、人材不足や価値観の多様化、そして働き方の変化があります。
特にテレワークの普及によって、働く自由度は高まった一方で、
- 人とのつながりが希薄になる
- 孤独感を感じやすくなる
- オンとオフの切り替えが難しくなる
- 運動不足や健康面の課題が生じる
といった新たな問題も見えてきました。
企業にとって重要なのは、単に働く環境を提供することではなく、従業員が心身ともに良好な状態で働ける環境を整えることへと変わりつつあります。
オフィスは企業文化を体現する場所
また近年では、人材確保や定着率の向上という観点からもウェルビーイングが注目されています。
給与や福利厚生だけでは差別化が難しくなった現在、従業員が「この会社で働き続けたい」と感じられる環境づくりは企業にとって重要な課題です。
特に若い世代を中心に、仕事そのものだけでなく、働く環境や企業文化を重視する傾向が高まっています。
そのため、ウェルビーイングへの取り組みは単なる福利厚生ではなく、企業価値そのものを高める要素として捉えられるようになっています。
効率を重視したオフィスから、人を中心としたオフィスへ

従来のオフィスは、生産性や効率性を重視して設計されてきました。
限られたスペースにデスクを配置し、業務を円滑に進めることが目的です。
もちろん、その考え方自体が間違っていたわけではありません。
しかし、働く場所を選べる時代になった今、効率だけではオフィスの価値を説明できなくなっています。
これからのオフィスに求められるのは、人がそこで過ごす時間そのものの質です。そして、その体験価値を高めるための空間デザインが重要視されています。
働きやすさだけではなく、居心地の良さやコミュニケーション、創造性、リフレッシュといった体験も重要な要素の一つです。
空間は、人の状態をつくる

ウェルビーイングを実現するうえで、空間デザインは大きな役割を果たします。
私たちは環境から大きな影響を受けています。
自然光が差し込む空間と閉鎖的な空間では気分が変わりますし、緑のある環境と無機質な環境ではストレスの感じ方も異なります。
ウェルビーイングの考え方では、「全員に同じ環境を与えること」が必ずしも最適解ではありません。
集中したい人もいれば、周囲との交流からアイデアを得る人もいます。そのため近年のオフィスでは、多様な選択肢を設ける考え方が広がっています。
静かに集中できるスペース。
気軽に会話ができるラウンジ。
リラックスできる休憩エリア。
自然を感じられるテラスや屋外空間。
その日の仕事内容や気分に合わせて過ごし方を選べることが、働く人のウェルビーイングにつながっていきます。
「出勤したくなる場所」をつくる

テレワークが一般化した現在、オフィスは仕事をするためだけの場所ではなくなりました。
むしろ、人と会うため、刺激を受けるため、気持ちを切り替えるために訪れる場所へと変化しています。
これからのオフィス空間デザインに求められるのは、出勤を義務にすることではなく、出勤したくなる理由をつくることです。
人との偶発的な出会いや、組織とのつながりを感じる時間、心身を整え、前向きな気持ちになれる環境。
そうした価値を提供できる空間こそが、これからのオフィスの役割になっていくのではないでしょうか。
sixinchが考える、これからのオフィスづくり
オフィスは単なる業務空間ではなく、人と人をつなぎ、創造性を育み、心身の健康を支える場所へと変化しています。
だからこそ、これからのオフィスづくりには、デザイン性や機能性だけでなく、そこで過ごす人の体験や心地よさを考える視点が欠かせません。
sixinchでは、家具やレイアウトを提案するだけではなく、その空間でどのようなコミュニケーションが生まれるのか、どのような時間を過ごしてほしいのかまで考えながら空間づくりを行っています。
特に、自由な発想や柔軟な働き方が求められる現代においては、画一的なオフィスではなく、人が自然と集まり、会話が生まれ、心地よく過ごせる環境が重要だと考えています。
ホテルやリゾート、商業施設などで培ってきた「滞在したくなる空間づくり」の視点も取り入れながら、オフィスに求められる新しい価値を提案しています。
働く人が自然と集まり、心地よく過ごし、自分らしく働ける環境をつくること。
ウェルビーイングが重視されるこれからの時代において、空間デザインにはその価値を形にする役割があると私たちは考えています。