アップサイクル家具でかなえる、環境にもやさしい空間づくり
「アップサイクル」という考え方
「アップサイクル(upcycle)」という言葉は、もともと「価値を高める」という意味を持っています。単に使い終わったものを再利用するだけでなく、新しい機能やデザインを与えることで、元の素材よりも価値を高めて生まれ変わらせるのが特徴です。
リサイクルとの違い
似た言葉に「リサイクル」があります。リサイクルは、素材を一度分解して、原料に戻してから再利用する方法です。
たとえば古紙を細かくして再生紙にしたり、ペットボトルを溶かして繊維に変えたりするのが代表的な例です。いったん「ゼロ」に近い状態に戻すので、大量生産や均一な品質を保つには向いていますが、素材が本来持っていた個性や味わいは失われやすいという特徴があります。
一方でアップサイクルは、素材の形や特徴をそのまま活かして、新しい製品に仕立て直す方法です。
古い木材をダイニングテーブルにしたり、使わなくなった布を椅子の張地に使ったりと、素材が持つ質感や雰囲気を残しながら別の役割を持たせます。
このように、リサイクルが「資源の再利用」に重きを置いているのに対し、アップサイクルは「価値を高める」という点に大きな違いがあります。
独自の魅力を持つ家具に
アップサイクル家具の魅力は「単なる再利用」にとどまらないところ。素材が持つ風合いや歴史をそのまま生かすことで、一点ものの特別感やストーリー性をプラスできます。
たとえば古民家で使われていた梁を活かしたダイニングテーブルは、木目や傷跡ひとつひとつが味わいになり、空間にぬくもりを添えます。
背景にあるサステナブル意識
近年はSDGsやサステナブルといった考え方が広がり、「環境にやさしい暮らし」を意識する人や企業が増えています。アップサイクル家具は、資源を大切にしながらデザインも楽しめる選択肢として、家庭から商業施設まで幅広く取り入れられるようになっています。
アップサイクル家具の魅力
アップサイクル家具には、環境にやさしいだけではなく、暮らしや空間をもっと豊かにしてくれる魅力があります。ここでは、その主なポイントをご紹介します。
環境にやさしい
使われなくなった廃材や端材を活用できるため、ごみを減らし、資源を有効に活用できます。限りある資源を大切にしながら家具をつくる姿勢は、地球環境に配慮した暮らしにつながります。
デザイン性が高い
アップサイクル家具は、素材の持つ色合いや風合いを活かすことで、自然と個性的なデザインになります。たとえば、木材の節や金属のくすみといった「使われてきた証」が味わいとなり、空間にあたたかみや深みを添えてくれます。
既製品の均一さにはない、素材そのものの魅力がデザインに表れるのも大きな特徴です。
ストーリー性がある
「このテーブルは、家で長く使っていたダイニングの天板を生かしています」
「この椅子は、お気に入りだった布を張地にしました」
そんなふうに、身近なものが形を変えてそばに残ると、家具はただの道具ではなく思い出をつなぐ存在になります。長く使い続けてきた時間が、新しい価値や愛着となって息づいていくのです。
コスト削減の可能性
アップサイクル家具は、新しい素材を一から用意しなくても、すでにある資源を活かしてつくられます。だからこそ、材料費を抑えられることもあり、結果的にコスト面でもうれしい効果が期待できます。
環境にやさしいだけでなく、お財布にもやさしいのがポイントです。
アップサイクル家具の事例
建築廃材や古材を使った家具
解体された建物の木材をテーブルや棚に作り変えると、味わい深い雰囲気を持った家具に生まれ変わります。
ワイン樽や足場板を活かした家具
使い終わったワイン樽をテーブルに、古い足場板をベンチに。素材に刻まれた歴史がデザインの一部になります。
廃プラスチックや布を活かした家具
捨てられるはずのプラスチックや布を成形してチェアやパネルに。機能性と遊び心を兼ね備えた新しいインテリアになります。
店舗やホテルでの導入
実際に店舗やホテルでも導入が進んでおり、「サステナブルな取り組みをしているブランド」としてお客さまに好印象を与えることができます。
アップサイクル家具が選ばれるシーン
「アップサイクル家具って、実際にはどんな場所で使われているの?」と思う方も多いのではないでしょうか。実は家庭のインテリアから商業施設、オフィスや教育現場まで、幅広いシーンで選ばれています。
商業施設
アップサイクル家具は、お店や施設が「環境を大切にしている」という気持ちをさりげなく伝えてくれます。店内やロビーに置くだけで、来てくれた方にサステナブルな取り組みを自然に感じてもらえ、ブランドの魅力をより深めることができます。
オフィス
働く人にとって心地よく、訪れる人にも「環境に配慮している会社」という印象を届けられるのがアップサイクル家具の良さです。オフィスに取り入れることで、毎日の仕事が少し明るくなり、会社の姿勢もやさしく伝わります。
教育施設
子どもたちに「ものを大切にする心」や「環境を守る意識」を伝えるきっかけにもなります。教室や図書室に置けば、学びの道具としてだけでなく「体験を通じて環境を知る」ことにつながり、自然と子どもたちの記憶にも残ります。
家庭
リビングやダイニングに置くアップサイクル家具は、暮らしの中にエコを取り入れるやさしい第一歩になります。ひとつひとつ違う素材の表情は、インテリアに個性を加えるだけでなく、家族の会話のきっかけにもなってくれます。
sixinchとアップサイクルの可能性
循環を大切にした、ものづくりの姿勢
sixinchでは、家具をより長く、大切に使っていただくために、再コーティングによるアップサイクルにも対応しています。
木材や鉄、金属、布張りの家具など、さまざまな素材にもコーティングを施すことができ、使い込まれてくたびれてしまった家具に、もう一度新しい命を吹き込むことができます。
また、家具の主材料であるポリウレタンフォームについても、できる限り無駄を出さない生産体制を整えるとともに、再生チップウレタンを使った製品も積極的にご提案しています。
さらに、植物由来のバイオマスウレタンの研究・開発や、在庫を持たない受注生産システムの導入など、環境に配慮した取り組みを一歩ずつ進めています。
納品後も、製品を永く安心してお使いいただけるよう、メンテナンス契約のご相談も承っております。
“つくって終わり”ではなく、“ずっと大切に使っていただくためにできること”を考えながら、私たちは循環型社会の実現に向けて、できることから丁寧に取り組んでいます。
アップサイクル家具で広がる空間づくり
アップサイクル家具は「環境へのやさしさ」と「デザイン性」を両立できる、新しい時代の家具の選び方です。施設や家庭に取り入れることで、サステナブルな姿勢をアピールしながら、毎日の暮らしや空間をもっと豊かにできます。
sixinchの家具は、アップサイクルの価値をプラスしながら、安心・楽しさ・彩りを届けられるのが特長です。環境にやさしく、子どもも大人も笑顔になれる空間づくりを、一緒に始めてみませんか。
アップサイクル家具を取り入れたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。